このところ、弁護士に関するネタがあったので、いくつか質問を頂きました。
①交通事故事案の患者を対応していたら「保険会社の顧問弁護士」を名乗る人物から、治療打ち切りを示唆するTELが来ました。顧問弁護士というからには、相当の実力者であって、無理矢理にでも打ち切りをさせられるのでしょうか?
②弁護士から提携の勧誘が来ています。聞けば某保険会社の顧問もしていると言っていました。
本当に顧問だったら、凄腕でしょうから保険会社もタジタジになって、よくあるような塩対応も緩和するのでしょうか?
それには何か気を付けておいた方が良いという事はあるのでしょうか?
ということでした。
この質問をまとめると
・顧問弁護士ってすごいの?
・顧問弁護士と提携した方が有利になる?
・保険会社に対抗するには、やっぱり弁護士なの?
・なにが注意ポイント?
でしょうか。
この質問に関しては、何回か出していますし、勉強会でもリミット無しで話しています。
出せる分だけ、回答します。
そもそも論:保険会社と弁護士
これに関しては、元損保職員さんのインタビューでも回答しています。
どうも、世の中は「弁護士が付いていれば、鬼に金棒」的な風潮があるようですが、保険会社は何とも思いません。
保険会社は、制度・法律を知り尽くした上で、グレーゾーンを際立たせて法解釈を活用して対応しています。
なので「裁判でしたら、いつでもどうぞ」というスタンスです。
分かっているからです。
だから恐くも何ともない。
弁護士も、司法試験を通っているEliteですので,法律的に出来ないもんは出来ない事も知っています。
「全知全能の魔法使い」でも何でも無いので、過度な期待ばかりをかけても、弁護士が気の毒です。
御自身で、ハッタリをカマされているのであれば論外ですが・・・
保険会社が多く契約するのは顧問ではなくて・・・
提携、もしくは協力弁護士です。
弁護士費用は自由化され、以前固定化していた料金も「旧日弁連基準」としています。
多くが、保険会社から仕事をもらう契約であって、旧日弁連基準よりも非常に協力的な料金設定で引き受けされています。
昨今では、弁護士事務所に所属する雇われ弁護士を、居候からなぞられて「イソ弁」と言っていましたが、事務所事案を貰えないけど、事務所所属しないと活動できないために、屋号だけを借りる「ノキ弁」も多くなってきています。
保険会社が積極的に採用したがるのは「ノキ弁」。
足元を見ているのかどうかは知りませんが、なんせ仕事が欲しい方々ですので、かなり料金は叩いているようです。
弁護士会への会費は年間60万円近くすると言われていますので、とにかく仕事が欲しい弁護士と、弁護士を使うに当たっては社内稟議書を上げないと出来ないまで、事情が厳しい保険会社とのニーズがマッチしているのですね。
では顧問弁護士はどう違う?
実際に、ホンマモンの顧問弁護士をしていた先生も存じていますが・・・実力が違います。
何よりも、判例を持っています。
弁護士の経歴や実力を計る上で、大きいのが判例。
医療で言うところの「論文」や「症例」や「手術数」など、成績にまつわる事でしょうか・・・。
そして、出てくる場面がゴッツイ時に満を持して出てきます。
ですので、小さな案件で出てくる事は・・・「まずない!」(元損保職員さん)
「出てくるのは、マスコミも傍聴するような、注目される裁判になるような時ですね。それでも、簡裁・地裁ではなく、高裁・最高裁とか。それでも役員決裁レベルじゃないと依頼できないので、そうそうありません。
顧問料も半端ないので、慎重に依頼せざるを得ない。
それに・・・そもそも、自ら「顧問弁護士」って、顧問弁護士は言わないですよ。
そういうもんです」
(いずれも元損保職員さん)
ということです。
そういえば・・・私が昔所属していた外資系生保で、テレビでも有名な、ある弁護士が顧問と言う事は社内では聞いていました。
しかし、社内にデカデカと掲示されているわけでも無く、知ろうとする縁が通じないと知り得ないくらいの情報です。
ご本人のHPやウィキペディアも見ましたが、そこの顧問弁護士の経歴等は、簡単なググりでは出てこなかったです。
判例を追いかければ・・・でしょうけどね。
有利になるのか?それとも・・・
まず前述の通り、特段有利になる事はありません。
交通事故損害賠償は、制度・法律に則っていますので、それをきちんと理解した方が早道です。
このことは、勉強会でも書籍でもお伝えしています。
交通事故の実態を表裏から存じている身としては
距離を取らないお付き合いは、デメリットの方が目立つ印象です。
一般社会的な感覚からして「なんで弁護士がついているの?なにかやましい事とか、トラブルが多発しているの?」という印象を与えかねません。
だって・・・揉め事が無ければ、ワザワザ弁護士の存在を表に出さなくても、業務は遂行出来ますしね・・・医療・もしくは医療類似行為においては。
保険会社の顧問弁護士・提携弁護士を、自身の顧問にする最大のデメリット
例えば、東京海上日動で顧問・提携弁護士をしていたとします。
すると、東京海上ホールディングス(旧ミレアホールディングス)関係においては、その弁護士は手出しが出来ません。
「双方弁護」となってしまいかねなく、利益相反になるので弁護士職務基本規程57条違反になります。
同一事務所に所属する弁護士であっても、同様になってしまいます。
となると
・東京海上日動
・イーデザイン損保
・日新火災
が該当しかねません。
すると、上記保険会社が絡む事案は、弁護できません・・・それって、おかしくなっちゃいますね。
見た目は良いのですが、実務では困難が発生しかねません。
まとめ
・顧問弁護士は自ら「顧問です」は、普通はあんまり言わない。
教えてくれたら、そうとう仲が良いか、信頼しきって貰っていると思おう!
・「顧問」の他に「提携」「協力」があるので、そっちと間違えているか、
ハッタリをカマしているかもしれない。
・保険会社と特定の関係を持っている弁護士に、「双方弁護」になるような事を
させると、懲戒対象になっちゃうから、しちゃダメよ
・とりあえず、ちゃんと知識持てば、弁護士は「イザ!」という時だけだから、
まずは知識を得ましょう!
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<場所>
アットビジネスセンター横浜西口駅前 602号室
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<定員>
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